一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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NEW CFEコラム

新年度にこそ問い直す「組織の健全性」

― 企業不祥事に学ぶ、これからのガバナンスの在り方 ―

4月を迎え、多くの企業が新年度のスタートを切りました。新たな経営方針のもと、新入社員を迎え入れ、組織に新しい風が吹き込むこの時期は、企業にとって成長の契機であると同時に、「組織の健全性」を見つめ直す重要な節目でもあります。

しかしながら近年、企業不祥事は後を絶ちません。例えば、ニデック、オルツ、KDDI子会社(ジー・プラン)といった企業に関連する事案が報道され、社会からの信頼を揺るがす事態となりました。これらの事例は、業種や規模を問わず、いかなる企業にも不正や不祥事のリスクが内在していることを改めて示しています。

不祥事の本質は「個人」ではなく「組織」にある

不祥事が発覚した際、往々にして個人の問題として片付けられがちです。しかし、ACFEの知見に基づけば、多くの不正は「動機」「機会」「正当化」といういわゆる不正のトライアングルのもとで発生します。そして、この「機会」を生み出しているのは、まさに組織の統制環境そのものです。

つまり、不正を未然に防ぐためには、個人の倫理観に依存するのではなく、組織として不正を起こさせない仕組みを構築することが不可欠です。

新入社員の存在は「リスク」か「機会」か

新入社員の受け入れは、単なる人員補充ではありません。企業文化や倫理観を伝承する絶好の機会です。一方で、ルールや慣習を十分に理解していない新入社員が、不適切な指示や環境の中で誤った行動を取ってしまうリスクも存在します。

重要なのは、「最初に何を教えるか」です。業務スキルと同様に、コンプライアンス意識や倫理観を明確に示すことが、その後の行動規範を大きく左右します。

ガバナンスは「制度」から「実効性」へ

多くの企業では、内部通報制度や各種規程が整備されています。しかし、それらが「存在しているだけ」で機能していないケースも少なくありません。

・通報しても不利益を被らないという信頼があるか

・経営層が不正に対して明確な姿勢を示しているか

・現場レベルでルールが理解・実践されているか

こうした観点から、制度の“実効性”を検証することが求められます。

ACFE JAPANとしての提言

ACFE JAPANでは、企業不正の防止・発見・対応に関する専門知見の普及を通じて、健全な組織づくりを支援しています。

新年度という節目にあたり、企業の皆様には以下の点を改めてご確認いただきたいと考えます。

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