一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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CFEコラム

打刻の影に潜む影 — JBC不正事件から考える勤怠管理の盲点と組織の信頼回復

国内プロボクシングの統括機関である日本ボクシングコミッション(JBC)で、事務局の男性職員5人がタイムカードの不正操作によって休日出勤手当を水増し受給していた疑いが明らかになりました。報道によると、この不正は5年以上も続き、総額は数百万円にのぼるといいます。

一見、些細に思える「タイムカードの打刻」ですが、この事件が示すのは、身近で基礎的な勤怠管理の中にも不正の温床が潜むということです。複数の職員が結託し、相互に不正を補完する形で長期間にわたって不正が続いた背景には、組織としての内部統制の甘さや監査の不十分さがあったことが否めません。

勤怠管理は企業の信頼を支える土台のひとつ。今回の事件を教訓に、改めて見直すべきは「権限の分離」と「多角的な監査体制」です。さらに、指紋認証や顔認証、GPS連動といったIT技術の導入は、不正の芽を早期に摘む有効な手段となります。

私たちACFE JAPANは、不正リスク管理の専門家であるCFE(公認不正検査士)が、こうした課題に対して具体的な解決策を提供できると考えています。不正防止は単なる管理部門の責任ではなく、組織全体のガバナンス強化が欠かせません。

JBCの事件は、規模や業種を問わず、どの組織にも不正リスクが潜むことを改めて示しました。CFEの専門知識を活用し、透明性の高い組織運営を目指すことが、信頼回復と持続的な成長への道となるでしょう。

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